大塚 海平
新人類
ある日、ボクーは3匹の獣に出会った。それぞれ、梟と蛇と猪だった。
ボクー「僕は生きている価値がない。死んだ方がマシだ。」
梟「それなら私がおまえを突き割いて、殺してしまおう。」
蛇「ちょうど腹が減っているんだ。絞め殺されるついでに吾輩のディナーになってくれないか。」
猪「おれっちは昔から白か黒かで物を考えるタチでな・・・。迷ってる暇があるならおまえさんをその崖から突き落としてやる!」
ボクーは獣たちの迫力に後ずさりをした。
「いいや、遠慮するよ。僕には僕の死ぬ流儀があるんでね。」
尚もボクーは続けた。
「いくら突き殺すといえど、血なまぐさい匂いがその嘴にこびりつくのは勘弁だろう?」
「いくら絞め殺すといえど、砕けた骨が喉に突き刺さったら痛いだろう?」
「いくら崖から突き落とすといえど・・・。」
ボクーは断る理由を思い付けなかった。
猪が前脚を振りかぶった時!
(yzにつづく)